2. アーキテクチャ概観
「どのような基盤の上で動くか」の概観です。技術詳細は別途設計書(docs/architecture.md)にまとめていますが、ここでは 判断に必要な3点 だけ抑えます。
- どこで動くか(24時間稼働する1台のサーバー)
- データはどこに残るか(個人情報の置きどころ)
- バックアップとコスト
2.1 全体構成図

2.2 ポイント1 ─ 1台のVPSで動く(インフラはシンプル)
- 24時間稼働する1台のVPS(Ubuntu 24.04 LTS) で、Webhook受信/毎朝のcron実行/Playwrightによるサーカス自動操作 ──すべてをこなします
- なぜVPSか:常時稼働が必要(LINE Webhookを受け取り続ける)。クラウドの時間課金よりも 月額固定の方が安定して安い
推奨サービス
Xserver VPS 2GBプラン(月額 ¥1,496/月払い時、税込)を推奨します。
選定理由: - 2GB帯の国内VPSで現時点最安水準(月払いの場合) - NVMe SSD でディスクI/Oが高速 - 長期契約割引が大きい(12ヶ月 ¥1,170/月、36ヶ月 ¥990/月)
パイロット中は月払いで進める運用を推奨
パイロット検証期間は契約縛りのない月払いで開始し、本運用入り後に12ヶ月/36ヶ月契約へ切替が筋。長期契約への切替で年 ¥3,900〜¥6,000 の追加削減が見込めます。
他社VPSでも置き換え可能(必須条件)
以下の8条件を満たす国内VPSであれば、Xserver以外(ConoHa VPS/WebARENA等)でも同等に運用可能です。
| # | 必須条件 |
|---|---|
| 1 | メモリ 2GB以上(Playwright Chromium のピーク使用量を吸収) |
| 2 | vCPU 2コア以上(推奨3コア) |
| 3 | ストレージ 30GB以上(OS+アプリ+ログ+SQLite) |
| 4 | Ubuntu 22.04 LTS または 24.04 LTS が動作可 |
| 5 | 国内データセンター(LINE/Google APIへのレイテンシ100ms以内) |
| 6 | 固定IPv4(LINE Webhook URLの安定性確保) |
| 7 | 80/443ポート開放可・Let's Encrypt利用可 |
| 8 | SSH+rootアクセス可・スナップショット機能あり |
「既に契約済のVPSがある」「事業者を統一したい」等の事情があれば、上記要件を満たす範囲で柔軟に変更可能です。
契約・運用責任の分界
| 項目 | 担当 |
|---|---|
| VPS契約名義 | 河村さん法人名義(請求・所有権は河村さん側) |
| 支払い | 河村さん法人 |
| OS・ミドルウェア構築・運用 | 山崎(運用代行) |
| アカウント認証情報の管理 | 河村さん(山崎は運用必要分のみ預かり) |
契約者を河村さん法人名義とすることで、サーバの所有権・データの管理責任が河村さん側に明確に帰属 します。
コードはGitHub等の公開リポジトリに置きません
コードの真実源は VPS、山崎のローカルPCがミラー。
外部に公開リポジトリを持たないことで、設定ミスによる情報漏洩リスクを構造的に排除します。
なぜVPSなのか ─ 祐衣さんのPCで動かす場合のリスク
祐衣さんのPCで完結させる案も技術的には可能ですが、以下の理由でVPSを選んでいます。
- 24/7稼働の不確実性 ─ PCを閉じる/スリープ/OS再起動の間、LINE Webhookを取りこぼし、毎朝7時の事前準備cronも止まる。求職者からの書類受信を逃すと業務影響が大きい
- 対外的説明の難しさ ─ 業務委託CAのPCに第三者のソフトウェアを常駐させる構成は、アンカー社のIT管理ポリシーとの整合確認が別途必要になる
- 保守の重さ ─ バグ修正のたびに祐衣さんPCへリモートアクセスする必要があり、責任分界(PC固有問題か/ソフト起因か)の切り分けが困難
- 個人情報の所在 ─ 「アンカー社のWorkspace内で完結」という原則から外れ、CA個人のPCに処理機能が常駐することになる
月額 ¥1,496 は 「祐衣さんがPCを閉じても業務が動き続けるための保険料」 として捉えています。
2.3 ポイント2 ─ 個人情報はどこに残るか
個人情報の取り扱いを 「アンカー社の Google Drive 内に閉じる」 ことが大原則です。
flowchart LR
subgraph anchor["アンカー社のWorkspace内(永続保管)"]
DriveDoc[履歴書・職経書<br/>議事録・推薦文]
Sheet[初回面談シート]
end
subgraph vps["VPS(一時処理のみ)"]
Process[処理中の一時データ]
Log[ログ<br/>個人情報マスキング済]
end
LINE[公式LINEで受信] --> Process
Process -->|処理完了で即削除| Trash[(削除)]
Process --> DriveDoc
DriveDoc --> Sheet
| 場所 | 保管されるもの | 保管期間 |
|---|---|---|
| アンカー社のGoogle Drive | 履歴書/職経書/議事録/推薦文 | 永続(アンカー社の運用基準に従う) |
| アンカー社のSheets | 初回面談シート | 永続 |
| VPS(処理中のみ) | 上記の一時コピー | 処理完了で即削除 |
| VPSログ | 操作履歴 | 30日(個人情報はマスキング) |
ここが重要
VPSは「処理通過点」であって「保管場所」ではない。
個人情報の所在はアンカー社の Workspace 内で完結し、VPS には永続データを残さない設計です。
2.4 バックアップ(3層)
| 層 | 内容 | 頻度 | 保管先 |
|---|---|---|---|
| L1 | Xserver VPSスナップショット | 月次 | Xserver VPS側(標準機能) |
| L2 | 日次 tar.gz(テナント別データ) | 毎晩 02:00 | アンカー社のGoogle Drive MK2/backup/ |
| L3 | コードベース | 都度 | 山崎のローカルPC |
最悪VPSが消失しても、L2 から復旧可能。バックアップ自体もアンカー社の Workspace 内に置くので、外部に流出しません。
2.5 月額ランニングコスト(インフラのみ)
| 項目 | 月額 |
|---|---|
| Xserver VPS 2GB(月払い・推奨) | ¥1,496 |
| ドメイン | ¥0(IP運用、必要時に取得) |
| Gemini API | ¥300〜900(月30名担当の試算) |
| 公式LINE | ¥0(コミュニケーションプラン200通/月) |
| 通知Bot LINE | ¥0 |
| Google Drive バックアップ | ¥0(アンカーWorkspace内) |
| 合計 | ¥1,800〜2,400程度 |
長期契約への切替で更にコスト削減可能(12ヶ月契約で月¥326、36ヶ月契約で月¥506の追加削減)。
確認ポイント(章末)
- 個人情報は「アンカー社のGoogle Drive内で完結」「サーバは処理通過点」 という方針で問題ないか?
アンカー社の情報管理ポリシーと整合する必要があれば、その内容を教えてください。 - 24時間稼働サーバとしてVPS(推奨:Xserver VPS 2GB/月額¥1,496・河村さん法人名義) で進める前提で問題ないか?
既存契約のVPSがある等、別事業者をご希望の場合は事前にお知らせください(必須条件は本章記載のとおり)。